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Aghamiri, S. M. S.*; 曽和 貴志*; 鵜飼 重治*; 大野 直子*; 坂本 寛*; 山下 真一郎
Materials Science & Engineering A, 771, p.138636_1 - 138636_12, 2020/01
被引用回数:33 パーセンタイル:90.54(Nanoscience & Nanotechnology)酸化物分散強化型FeCrAlフェライト鋼は、高温までの優れた機械特性とアルミナ皮膜形成による水蒸気酸化特性の著しい改善により、軽水炉用事故耐性燃料被覆管候補材料として開発されてきている。本研究では、被覆管成型プロセスにおいて、1100Cと1150Cの異なる引き抜き温度で成型した時のFeCrAl-ODS被覆管の微細組織特性及び引張特性を調査した。温間引き抜き成型した試料では、110方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの繊維であったのに対し、冷間ピルガ-圧延で成型した微細組織では、結晶の回転を経由し、110方向に沿った集合組織を有するミクロンサイズの繊維と{111}面に沿った集合組織を有するサブミクロンサイズの繊維が確認された。次に、最終アニーリングを行うことで、これらの組織は約810-850Cで再結晶化した大粒径の再結晶組織に変化した。再結晶被覆管材において、これら2つの異なる集合体組織発達が生じた。すなわち、引き抜き温度を1100Cにして成型した時に形成した(110) 211集合組織を有する大きな伸張粒と、より高い温度の1150Cで引き抜き成型した時に見られた(110) 211集合組織と{111} 112集合組織である。1100Cで引き抜き加工を施した被覆管において生じた異なる集合組織の発達と再結晶の遅延は、酸化物粒子の高密度分散に起因していると考えられる。